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広島のコミュニケーションを支える 広島県言語聴覚士会

広島県、広島市、福山市、呉市 主催

失語症者向け意思疎通支援者養成研修 活動報告

全9回の研修の様子を掲載しますので、ご覧ください。

平成30年度はこちら

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第1回研修 開講式 
広島県言語聴覚士会会長時田春樹が挨拶。受講者は26名でした。
講義:失語症概論
初めての講義に、受講生の皆さんは真剣に聴講されていました。
講義:コミュニケーション支援技法 
言語聴覚士が失語症者役となり、要点筆記等を併用しての会話練習。
第1回目研修終了後:
昨年研修を受け、認定を受けた先輩支援者から、新しい受講生に向けての熱いエールです。
昨年の受講を踏まえ、
「受講中は相手を理解し、気持ちを引き出すことの難しさを知り“心が折れそうになりました”。でも、これから思うことは、失語症の方、受講されている皆様と一緒に友達を作りたいです。」
「意思疎通支援者の心構えと倫理」の講義です。
支援者として配慮しなければならない点などについて学びました。
失語症者の外出支援でかかせない「身体介助」の講義と実技です。
机で作られた家の廊下と同じ幅を車いすで通る体験をしています。
右片麻痺状態を体験しながら、左手に杖を持ち歩行、支援者は右側に立って移動を介助しています。理学療法士の指導のもと実施中。 階段での昇降介助の場面です。介助される側する側の気持ちを理解できました。
車椅子でのトイレ介助の練習ではトイレと車椅子の向きが難しくて汗だくです。 食事介助の練習。お互いに声をかけ、相手の表情をみて行っています。
第3回研修の午前中1時限目は「派遣事業と意思疎通支援者の業務」について、広島県健康福祉局障害支援課主幹の若林美和様より講義をしていただきました。失語症者向け意思疎通支援者の派遣事業が、法的にどのような位置づけとなっているのかを学びます。2限目は「外出同行支援」について、実際にどんな場面で失語症者を支援するのか、支援する時の注意点などを学びました。
「外出同行支援」の講義のあとは、STが支援者・失語症者・店員に扮してデモンストレーション!フードコートでランチを選ぶという設定で、“悪い”支援者の対応例を見た後に、ディスカッションを行いました。
早口に次々と、失語症の方とやり取りをする模擬支援者の姿を見て、受講生の皆さんからは「顔を見ながら話していなかった」「失語症の方の意思の確認が必要」など、様々な気づきが発表されました。
そして午後からは、広島駅側の蔦屋家電様のご協力を頂き、失語症者に扮したSTと受講生とのグループで、買い物の外出同行支援の実習です。前日までずっと雨が続いていましたが、この日は雨も上がり、薄日が差す実習日和でした。店内の見取り図やパンフレットで売り場の確認を行い、模擬失語症者がどんなものを買いたいのか、しっかりと聞き取って、一緒に目的のものを探します。
文字で選択肢を示したり、実際の実物を見ながら選んでいったり、受講生の皆さんは、これまでの研修で学んだ様々な方法を駆使して、買い物の支援を行っておられました。
約1時間の実習を終えて、研修会場に戻り、最後はグループワークを行い実習の振り返りを行いました。
皆さん様々な工夫を行い、悪戦苦闘しながらも、楽しんで実習を終えられたようです。 お疲れさまでした!次回の研修では、いよいよ実際の失語症の方々と会話をする実習が始まります!!
第4回研修の午前中は、いよいよ失語症友の会「もみじ会」と若い失語症の方の集まり「Green」の方々と実際に会話をしました。受講生の多くは初めての失語症者との会話であり、始まる前は緊張感も伝わってきましたが、会話が始まってみると隣の人の会話が聞こえない程に会場は盛り上がっておりました。受講生は各々これまで学んだコミュニケーション支援技法を駆使して会話に励みます。
午後からは、午前中の実習内容をグループワークで振り返り。 熱心な受講生と支援STでフィードバックを行いました。 コミュニケーション支援技法として書字で示すことに拘り過ぎた事や失語症の方のコミュニケーション能力を理解することが難しかった事などの様々な意見が出され、受講生みんなで実習から得られた内容を共有しました。
その後「話の内容を確認する会話技術」の講義を実施。文字や絵で示しながら技術を学びました。
最後の時間に受講生の自己紹介をしました。ご家族に失語症の方がいらっしゃる方、介護現場で失語症者と関わる機会がある方など受講に際しての熱い思いを聴くことができ、我々も初心を振り返ることができたと同時に身の引き締まる思いがし、大変貴重な時間となりました。
「失語症のある人の日常生活とニーズ」の講義です。前半は、講義。後半は、NHKで放映された失語症患者さんの日常生活をビデオで見ながら、失語症のある方の思い、どんなところで困っていたのか、コミュニケーションを図る上での支援の工夫、関わる上で大切なことをグループディスカッションしました。(ビデオには、市民公開講座でお話していただいた安保直子先生が出演されていました。)
「話の要点を書き示す技術」の講義では、要点をまとめ、わかりやすく伝えるために、みんなで工夫をしました。 文字(漢字多め)や・描画・図・表 等々 一目でわかるように考えました。
午後からは、市民公開講座が開催されました。特別講師:ST 安保直子様 会話パートナー 泉マヤ様をお招きし、「失語症向け意思疎通支援者とは何か」と題してお話しいただいました。
安保直子様からは、東京での失語症者向け意思疎通支援者養成について、今までの歴史や経緯をお話いただきました。言語聴覚士の有志を募り、「和音」という言語障害者の社会参加を支援するパートナーの会を設立され、現在まで養成を継続されています。安保様が考える意思疎通支援者とは、決してSTのようにリハビリを行うわけではなく、会話を助け、本人はもちろん周りにも希望を与える人。派遣事業もまだまだ始まったばかりで、今後利用したいと思う人が増えるように活動していきたい、と話されました。
泉マヤ様からは、失語症パートナーになろうとされた過程、これまでの経験についてのお話でした。
デイサービスや失語症友の会などで会話パートナーとして従事して来られ、2019年に東京都の失語症者向け意思疎通支援者養成講習会を修了されました。また「おしゃべりカフェ」を立ち上げられ、誰もが会話を楽しめる環境創りに尽力されています。泉様が失語症会話パートナーになって思うことは、あなたに逢えて良かった、と言われることが目標とされてきたが、実際はパートナーの私の方が、失語症のあなたに出会えたことで、人生が深く、豊かなものになっている、感謝したいということ、と話されました。
第6回研修の午前中は、「もみじ会」と「Green」の方々との関わりでした。「Green」の方々とは実際に蔦谷家電に行き、買い物を支援や食事しながらお話しました。「もみじ会」の方々とは前回の『自己紹介』から少し発展させ『趣味について』『最近気になるニュースは?』をテーマに会話を行いました。受講生は前回の学びを活かして会話に励みました。
午後からは、午前中の実習内容をグループワークで振り返り。
今回も受講生と支援STで熱い話し合いを行いました。
「前回に比べ少し成長を感じた」「自分の課題を再認識できた」という前向きな感想があった一方で「グループトークでのコミュニケーション支援が難しかった」など新たな課題を発見できた実りのある実習だったようです。
その後「コミュニケーション支援技法」の講義を実施。
講義の中で失語症者への不適切な対応をしている動画を見ながら何が不適切であるのかを的確に理解し、その後模擬失語症役のSTに対して各々が適切な対応を心がけようとする姿勢も見受けられました。受講生の成長を感じることができました。
今回の研修では2回目の失語症者との関わりであり受講生の中にはコミュニケーション支援ツールとして蔦谷家電のフロアマップなどを事前に準備している方もいらっしゃり、回を増すごとに着実に支援技法が身につけられており、その成長がモチベーションへと繋がっていると感じました。
第7回の「外出同行支援実習」は、福屋駅前店さんのご協力のもと、福屋駅前店11階フードコートおよびバンケットルームで行いました。

昼過ぎまでのプログラムは、失語症の方にご協力いただき、一緒に外食をすることでした。これまでに学習した支援技法を使って会話をすること、食事を選んで買うことのお手伝い、移動の際の身体介助や声かけ、配慮を行えることを目指しつつ、楽しく食事ができることを考えて実践しました。
午後からは、「失語症の方の体験から学ぶ」として、もみじ会の吉村勇さんの体験談をうかがった後、吉村さんご夫妻と井上さんにインタビュー形式でお話をうかがいました。失語症になった時のお気持ちや、今の思い、難しさ、ご家族に助けてもらっていること、欲しい支援などについてお話していただきました。「理解できるのは20%」とおっしゃり、インタビュアーのSTと時間をかけてやり取りを繰り返される姿を目の前で見せてくださったことや、一見では軽そうに見える当事者の方からの「軽くない」、「書いて示してもらうことで頭が整理される」という言葉は印象的に残りました。また、失語症のことを広く社会に知らせて行くことの必要性を改めて確認する機会となりました。
最後に、失語症の方との外食実習の振り返りを行いました。吉村さん、井上さんらの体験談を反芻しながら、反省点がたくさん出されました。楽しく、充実した実習ができました。
第8回研修午前、GREENの会の様子です。今回は集団での会話を支援しました。前半はグループに分かれて、忘年会開催について話し合いを行う中、STやパイオニアが会話を支援する様子を受講生が見学しました。忘年会の場所については、メニューや価格、トイレの場所などに考慮した意見が出ていてました。
後半はGREENの方同士の近況報告会が行われ、受講生が会話に加わり支援しました。各グループごとに、趣味や出身地、職業など様々な話題で盛り上がりました。
午後は、午前の実習の振り返りをしました。反省点として、まずは支援者が話しを伝えやすい位置に座ることに気を配る必要があるということ、またGREENの方と一対一で話してしまいがちで、全体の場の状況を考えながらみんなで話題を共有し、会話することの難しさを実感した、との感想が挙がりました。
そして迎えた意思疎通支援者認定テスト
筆記テスト、実技のテストを行いました。実技テストでは、失語症者と意思疎通支援者が外出した際に、JRの沿線火災による電車の遅延に巻き込まれた場面を想定し、模擬失語症者に対して会話支援を行う様子をみました。パイオニアの方にも、実技テストの演者として、協力していただきました。受講生の皆さん、やはり緊張されていました。

広島県言語聴覚士会事務局

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